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2010年06月

第6回-夜明けを求めて

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先日のわがジンセイの名作映画で15位に挙げた『アメリカン・ウェイ』('86年・英)の主演、デニス・ホッパーが亡くなってしまった。私はデニス本人を、1989年の初来日時の舞台挨拶で観ている。パルコ劇場に4時間並んで最前列を取り…と、この時の思い出、デニス作品を追い続けた大学時代の思い出がヤマほどあるのだが、その逝去を受けて、まだ私のココロが落ち着いていない。この大きなテーマは後日採り上げるとして、今日は全く関係ない、'60年代ロックの話。すいません。

とても不思議な経験がある。私が中学、高校生の頃、旧・ラジオ関東、現・ラジオ日本で、『ポップ・ザ・ヒーロー'80's』という30分番組をやっていた。月曜日の夜で、確か24:30から25:00までではなかったか。1980~81年のことである。
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったYMOの高橋幸宏の音楽DJ番組だったのだが、飛ぶ鳥を落とし過ぎてワールド・ツアーのためにやたら不在。その間、「留守番」と称してムーンライダーズの鈴木慶一が代役を務めていた。ところがこの代役、あまりに出演頻度が高く、ほとんど「慶一の番組」と化していた。そしてムーンライダーズ狂だった私は、「こっちの方がイイヤ」と夢中になって聴いていた。

そんなある日、慶一がプロデュースしたバンド「シネマ」のメンバーが、自分の好きなシングル盤を持ち寄ってかけるという企画があった。シネマにはのちに慶一夫人となる鈴木さえ子(今は夫人ではなくケロロ軍曹で超有名)もおり、彼女も自宅からシングル盤を持って来ていたが、まぁ、誰が何をかけたというところまでは触れない。

冒頭で「不思議な経験」と書いたのは、その30分間で聴いた数曲を、今でも全て覚えており、そしてその後20年ほどかけて、全曲CDで集めてしまったのだ。理由は簡単。どの曲も、私の個人的なツボに見事にハマって、忘れられなくなってしまったからだ。

まず大御所で、すぐに見つかったのがザ・ホリーズの「恋のカルーセル(On a Carousel )」。これは鈴木さえ子が持って来たもので、「有名な『バス・ストップ』のB面。『バス・ストップ』よりもイイ」と言っていたように記憶するが、調べてみると'67年にA面で出ていた。
しかし「『バス・ストップ』よりもイイ」は本当だ。スロー・バラードはと思わせて、中盤からの盛り上がり。泣ける!ホリーズは20年位前にベスト盤を買い、どの曲も大好きになってしまった。それもこの「恋のカルーセル(On a Carousel )」がきっかけだ。

次がイージービーツの「我が心の金曜日(Friday On My Mind)」('66)。イージービーツは"オーストラリアのビートルズ"と言われたビート・ロック・バンドで、オーストラリアからイギリスに渡って、この曲でなんと全英No.1を獲得してしまう。
ともかくイカス!シビレル!のちにあのデヴィッド・ボウイがカヴァーした'60年代ロックの名曲だが、イージービーツ自体は今の日本では知られていないだろうなぁ。このバンド、'80年代に「フラッシュ・アンド・ザ・パン」というトホホ系テクノバンドになるのだが、まぁ、そこは触れない武士の情。
私はイージービーツの話を誰ともしたことがなかったのだが、今から十数年前、ある女性に話したところ、「"Friday On My Mind"でしょう?アルバム持ってるけど」と言われ腰を抜かした。「もしかしたらわたしはこの女性とケッコンするかも」と思ったが、それは思い違いだった。

段々探すのが難しくなって来る(笑)。次はザ・ムーヴの「旗を振って汽車を止めろ」('67)。トンデモない邦題で覚えてしまったが、原題は"Wave Your Flag and Stop the Train"というそうだ。直訳だ。Aメロ-Bメロの繰り返しが少々長く、畳み込むように盛り上がるCメロに辿り着くのがやたらに遅いのがタマにキズだが、これも名曲。
ムーヴは実はELO、エレクトリック・ライト・オーケストラの前身でもある。このCDは都内を探し回って、池袋のHMVで買った記憶がある。昔はAmazonなんてなかったし、CDを探して一日中歩き回るのも楽しいと感じていた。
バンドはその後、ELOに移行。ご存知の通り、数々の世界的大ヒットを飛ばすが、名曲「コンフュージョン」や、オリヴィア・ニュートンジョンと演った「ザナドゥ」などを聴くと、「キャッチーなイントロではじまり、聴きゴタエのあるメロディー、サビがすぐに登場する」という「旗を振って…」とは真逆の特徴がわかる。この「旗を振って…」を反省材料に、彼らも成長したのだなぁと…そんなワケない!

そして!ラスト1曲。最も苦労して最近やっと判明した。ザ・ハードの「夜明けを求めて(From The Underworld)」('67)。あのピーター・フランプトン(g、vo)が、ハンプル・パイの前に在籍していたにもかかわらず、今やほとんど話題にならず、そして私も、タイトルを良く覚えていなかった(苦笑)。探すのに苦労したのは主に後者の理由からだが、インターネットは実に便利。あれこれ検索するうちに、無事判明した。
「バロック・ロック」ですよ。プログレではなくて、ビートロックでバロック調。どうやらアイドルバンドだったようで、フランプトンはこのバンドでの活動を快くは思っていないらしいが、いや、これ、超名曲だって!

以上4曲、私が個人的に、30年間も忘れることなく慕い続けて来た'60年代ロックの佳曲。その共通点は…「畳み込むようなメロディーがどこかにあること」? それが私のツボなのか?! このように並べて書くことははじめてなので、共通点を考えたことはなかったが…。
間違いのない共通点は、当時の実家、神奈川県逗子市の山間で聴くラジオ関東は信号が弱く、雑音も入れば音も歪み、ここで挙げたどの曲も、かなり悪い音質で聴いていたということだ。'60年代ロックとその組み合わせ-雑音や歪み(フェージング)-が忘れられない思い出を作り出したのかもしれない。

1960年代から今まで、ラジオで聴いて、忘れられない曲がヤマほどあります。このブログで順次ご紹介。まずは'60年代ロック編でした。


≪今回のお楽しみリンク≫

◇ザ・ホリーズ「恋のカルーセル(On a Carousel)」。泣けます!
http://www.youtube.com/watch?v=4SDjPA-n1xM
◇イージービーツ「我が心の金曜日(Friday On My Mind)」。シビレル!
http://www.youtube.com/watch?v=dnqxbdnzlhw
◇ザ・ムーヴの「旗を振って汽車を止めろ」。サビが遅いが…。
http://www.youtube.com/watch?v=IRKV0EvYs54
◇ザ・ハードの「夜明けを求めて(From The Underworld)」。最高です…(涙)。
http://www.youtube.com/watch?v=SJwRDbkzSAU

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