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2012年12月

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第28回-中間音楽の愉しみ

1982年に細野晴臣、高橋幸宏が設立したYENレーベルからインテリアというユニットがデビューした。メンバーは日向大介と野中英紀。彼らは'80年代後半に渡米し、Interiorsと改名。ウインダムヒルから再デビューして成功を収めるが、ここではYEN時代の話。

2012年末時点で「インテリア、中間音楽」でネットを検索すると、「どこにも属さない音楽として細野晴臣が命名」と書かれているが、そうだったかな?
私はインテリアのデビュー時に細野晴臣が書いたフライヤーの短文をうっすらと覚えているが、確か「'50、'60年代のレコード店に主にアメリカで演奏されたロックでもジャズでもない、クラシックでもない音楽のコーナーがあり、そこには『中間音楽』と書かれていた」とあったような気がする。さて、原文は実家の書庫の奥深くに、今でも残っているかどうか…。

そんなわずかなフレーズを覚えているのは、私がその「ロックでもジャズでもない、クラシックでもない音楽」と、そして「中間音楽」という言葉に非常に惹かれたからだ。1982年、神奈川県逗子市での出来事。当時は高校2年生だったか。

そして2012年の東京・恵比寿。30年を経て、50歳を目前にした私は、「中間音楽」ばかりを聴いている。
事務所のBGMを音質も選曲も良くしかも無料というiTunesのネットラジオにしているが、そのオールディーズ専門局で'60年代ロックに混じって、実に良くかかるのだ。海外の音楽好きもやはり"このへん"が好きなのか…。

多くは過去にも聴いたことのある曲ばかり。私が子供の頃にラジオで頻繁にかかっていたものだ。最も代表的なのは例えばこれだろう。ホルスト・ヤンコフスキーの"A Walk In The Black Forest"-いや、邦題で「森を歩こう」と呼んだ方がいい。



1965年、私が生まれた年の曲だそうだ。ヤンコフスキーはドイツ出身のジャズ・ピアニストだが、ジャズ界ではほとんど名前を聞かない。しかしこの曲は世界的に大ヒットした。フシギなものである。
確かこの曲NHK-FMのフィラー(時間調整用の音楽)として使われていたと思う。「グラン・プリ」のオーケストラ版(超名アレンジながら演奏者不明!誰だったんだ!)や、ビリー・ヴォーン楽団の「真珠貝の歌」と一緒に。

この種の中間的なサウンドにはなぜかピアノが多く、ヴィンス・ガラルディの"Cast Your Fate to the Wind"もこのジャンルだろう。これも「風にまかせて」という邦題が付いている。リリースは1962年。



うろ覚えだが、ヴィンス・ガラルディはジャズ・ピアニストとしては正直なところ不遇だったが(またしても!)、このジャズともムード音楽ともつかない「風にまかせて」が米国でラジオを通じてジワジワとヒット。ビルボードのチャートにも昇り(最高位は1963年2月の22位)やっと音楽家として陽の目を見たのではなかったか。

さらにこの曲をタクシーの車内で偶然に聴いた「ピーナッツ」のプロデューサーが、テレビ版アニメーションのテーマ曲を依頼。それが-多分世界中の人が知っている-"Linus & Lucy"となる。ガラルディはこの曲を2週間で書き上げて、電話越しに聴かせた、なんて逸話も残っている。残念なことに彼は1976年にわずか47歳で亡くなってしまうのだけれど。

この曲だけではなく、私はガラルディのソロ・アルバムを何枚か持っている。ジャズピアニストとしてはかなり微妙な演奏(ミスタッチ多すぎ)だが、実は初期カル・ジェイダー・グループのピアノはこの人だ(それも数枚持っている)。

最近初めて知ったのがフロイド・クラマーというやはりピアニスト。ところがこの人、日本語の資料がほとんど出てこない。上の二人に比べて演奏がロックっぽいのが災いしたか?



この"On The Rebound"は1961年の曲で、ビルボード・ヒットというわけではなさそうだ。むしろのこの前年の"Last Date"が第二位まで達する大ヒットになっている("Last Date"はどちらかというと退屈なバラードである)。

クラマーは前の二人のように不遇だったわけではない。むしろ知る人ゾ知る米国音楽界の大御所だ(さすがにかなり巧い)。セッション・ミュージシャンに徹した人で実はプレスリーの初ヒット「ハートブレイク・ホテル」のピアノもクラマーだそうだ。その他にも数々の大物と共演、我々(?)に馴染みの深いところでは、ロイ・オービソンのバックも務めている。「オンリー・ザ・ロンリー」のリズムカッティングもクラマーなのだろうか(調べてみたがわからなかった)。

アメリカの、セッションマンか…。いや、聴くべき音楽はまだまだヤマほどあるな。死ぬまでに聴ききれるのか、心配になって来た(笑)。

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