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2015年03月

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第53回-魅惑のロックインスト-その5・80年代ポストモダンな音楽

ロックインスト特集第五回目。前回、スペシャルズの「ナバロンの要塞」を経て、ファン・ボーイ・スリーの「Murder She Said」。激動の'80年代、ジワジワと時代が変わっている。

正確には少し時代が前後するのだが、インスツルメンタルということならばこのバンドを挙げないわけには行かないだろう。イギリス・マンチェスターのインディーズ・レーベル、ファクトリー・レーベルから登場した、ドゥルッティ・コラムのことを。

ファクトリー・レーベルは2002年の映画『24アワー・パーティ・ピープル』のモチーフになったジョイ・ディヴジョンなどのポスト・パンクを中心としたレーベルだが…ちょっとうまく文章化出来ない。未聴の人はまずこちらを。'80年代の前半、「日本中のカフェバーでBGMになっている」とまで言われた(苦笑)、代表曲の「フェイヴァリット・ペインティング」('82)。埋め込みが出来ないのでリンクからお聴き頂きたい。

https://youtu.be/v5y7m7MJZUQ

ピストルズなどの初期のパンク、それに続くハードコア・パンクやノイズに狂っていたロックファンが、なぜかこの超シンプルなリズム・マシンに合わせて奏でられるピアノと深いエコーのギター、そして遠くで鳴るベースに夢中になったのである。
リアルタイムでこの曲を聴いて、そして夢中になったのは高校生の時。ご多分に洩れずハードコア・パンクやノイズ、ハンマー・ビートやインダストリアル等々、ハードなサウンドばかり聴いていたが(そして前髪は口元までありデップでボサボサにして。そんな時代が私にもあった)、それらとは全く異なるこのサウンドに心の底から驚いた。そして「これだ」と思った。

この「ファイヴァリット・ペインティング」収録のアルバム…と書きかけたところで、この曲が12インチ・シングルでのリリースのみだったことを思い出した。'82年10月の「Deux Triangles」。3曲入りでこの他には"Zinni"と"Piece for out of tune Grande Piano"が入っていた。そして"Zinni"も名曲で…



アルバムとしては'81年の『LC』と、'83年の『アナザー・セッティング』が人気だった。そして『LC』に「Deux Triangles」を足して46分テープにダビングするのが大流行していた(笑)。
ドゥルッティ・コラムは"バンド"とは名乗っていたが、実質的にヴィニ・ライリーという痩身のイギリス人のソロ・プロジェクトで、一応固定的に参加しているのはドラムのブルース・ミッチェルくらいのものか。

元々はパンクのギタリストだったヴィニ・ライリーがパンクの在り方に疑問を持って始めたバンドと言われている。今回、ある世代には苦笑されるようなタイトルを付けてしまったが、'80年代の前半、特に'81年から'85、86年頃まで、「過激にブチ壊したり、ビートに合わせて踊り狂っていたていた今までの10年とはちょっと違うのではないか?」と人々が立ち止まって考え始めた時期でもあったのだ。ポストモダン、ニューアカデミズム、そんなものが出てきた頃でもあった。

しかし!理屈はこれくらいにする。実は実はこのドゥルッティ・コラム、私の個人的なサウンドのツボに完全に合致していたのだ。だから狂ったのだ。時代性とか、ポストモダンとか、そんなことはホントはどうでもイイ!!

ディレイのかかった遠くで鳴るピアノやギター、特にペナペナなストラトが大好きなのである。そんなサウンドあちこちにあるかって? ありますよ。古くはジョニ・ミチェルの名盤『逃避行』。



ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』の影響もあり、1曲目の「コヨーテ」が有名だが、このアルバム、全体を通じてなんとも"遠くで鳴っている"感に溢れていた。ジョニはこの感じが好きなのか、'98年の『テイミング・ザ・タイガー』でも似たようなサウンド・メイクになっていた。

全くジャンルは異なるが、ドイツのプログレ・バンド、ポポル・ヴーも似た音創りをする。1曲挙げるならばこれしかない。ヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『フィツカラルド』の"Als Lebten Die Engel Auf Erden"だ。



いつかやろうと思っていた、ドゥルッティ・コラム-ジョニ・ミッチェル-ポポル・ヴーの比較が遂に出来た(笑)。なぜこのサウンドが好きなのか、自分自身でも実はまったくわからない。数年前に書いたが『フィツカラルド』は私が観た1000本以上の映画の中のベスト2で、そしてドゥッルティ・コラムの「Deux Triangles」は高校時代に最も震えたシングルで…そうした想いがごちゃまぜになっているのだろう。なんとも収拾のつかない文章になってしまった。少々失敗…。

※ヴィニ・ライリーの近況について、ここ2年ほどネットで色々と話題になっているのですが、ここでは詳しくは触れません。リンクだけ張っておきますので、みなさんの自己責任でご覧ください。

http://cloudbuster.lowlife.jp/2013/01/blog-post.html

第52回-魅惑のロックインスト-その4・80年前後スカインストの衝撃

延々続いているロックインスト特集。第四回目は2曲ご紹介。

去年のブログで1979年にイギリスからスペシャルズを筆頭としたツートーン・スカ勢が登場して、「身体がバラバラに解体されるような衝撃」だった書いた。

音楽的なインパクトを考えると、そりゃピストルズなどのパンク・バンドが凄そうに思える。しかし、ある意味、ツートーン・スカの方が衝撃だった。「目茶苦茶なことをやっていないのにこの緊張感は何だ?!」と思った。いたずらに過激なのではない、きっちりと音楽的に完成され、端正に演奏しているのにクラクラするようなインパクト。そしてそれは、ヴォーカルのない、インストの曲でも感じられた。例えばこの曲「ナバロンの要塞」-



いや、むしろ、インストの曲こそ驚きだった。「激しく声を揚げるわけではなく、管楽器やギターでインストをやっているだけなのに、このダンス感は一体…」。これこそがスカのマジックと言えるだろう。

この「ナバロンの要塞」が収録された12インチのライヴシングル、中学三年生の1学期の終わりに買って、いまでも大切に持っている。とても大切な思い出の一枚。しかし、この曲、大昔の戦争映画のテーマだぜ。それがこんな最高のダンスチューンになるなんて…と当時中三ながらに驚いた。その驚きは35年経った今でも変わらない。

さてこのスペシャルズ、'80年代に入るとヴォーカルのテリー・ホールを中心とするファン・ボーイ・スリーと、リーダーのジェリー・ダマーズが率いるスペシャルAKAに分裂。そしてファン・ボーイ・スリーが再び驚きのインスト・ナンバーを発表する。1983年発表のセカンドアルバムのB面は、なんとこの軽快なインストで始まるのだ。「Murder She Said 」-



パンク、ニューウェイヴからあまりに離れているので驚くだろう。「Murder She Said」は1961年に公開されたイギリスのコミカルなサスペンス映画で、邦題は『ミス・マープル/夜行特急の殺人』という。日本では劇場未公開だが、こちらでオリジナル・フィルムを見ることが出来る。これがまた、映像も音楽も震えるほど良くて(笑)。



これはカヴァーしたくなるわな(爆)。ここでも彼らは『ナバロンの要塞』同様に、いにしえのサントラから絶妙のインストナンバーを持って来ている。しかしこの場合は次の「The More I See (The Less I Believe)」とメドレーになっていて、急に'80年代初頭のニューウェイヴに変化するのが面白い。ちなみにプロデューサーは米国から参加のデヴィッド・バーンだ。

しかし!!すべてを通じて最も嬉しい&素晴らしいのは、(再結成した)スペシャルズが今でもこの「ナバロンの要塞」を演奏して若いオーディエンスを熱狂させていることだッ! つい3年前、2012年のフジロックでも!



最高だよ。泣けて来るよ。ここまで来ると「ロックに歌なんていらない」とまで思えてくるが(苦笑)。

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