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第34回-NHK-FMの音楽

ここ2回ほど、マニヤックな映画記事が続いたので、ぐっと間口の広そうなラジオ関係について。

「NHK-FMの音楽」とはなんとも漠然としたタイトルだが、内容的にはまさにNHK-FMの音楽なのである。

ここ何年か、ラジオで流れていたテーマ曲やジングル、フィラーなどが気になって仕方がない。老化による回顧趣味とは思いたくない。ムード音楽的なものにニューヒット(という言い方も昭和だが…)がないことと、不明だった曲が全世界規模のネット検索で判明することなどが影響しているのだろう…と前向きに解釈。
モンドミュージック、渋谷系によるサントラ発掘が終息してからもう10年以上、そろそろ次のムーヴメントとしてムード音楽あたりが盛り上がってもおかしくはない。中古盤の市場価格を見ると、00年代中盤ごろからすでに高騰の兆しがあるが…。

さて解説はこれくらいにして本題。まずはこれから行こう。1980年前後、夕方になると日本中の家庭に流れていた、Stuffの"My Sweetness"。邦題は「いとしの貴方」。フェンダー・ローズで始まり、Bメロがワウのかかったクラビネット、1'30"くらいからのロングトーンはポリムーグか?…(アープ・オデッセイではなさそうだ)。



これは16:10から18:00まで放送していた「軽音楽をあなたに」のテーマだった。選曲内容は週替わりだったか、日替わりだったか。
'80年か'81年の夏に、'60年代のビルボード・チャートを全曲かけるという企画があり、夢中になって聴いた記憶がある。そして楽しみにしていたグーシーズの「ミニミニロック」('67年のヒット曲。木の実ナナがカヴァー)が「音源が見つからなかった」とかで放送されずガッカリしたことまで覚えている。最近変更になった源泉徴収の新しい計算方法は忘れてしまったのに…。
ちなみに「ミニミニロック」はいまやYOUTUBEで、高音質、解説入りで聴ける。便利な世の中になったものだ。

「軽音楽をあなたに」が終わると18:00からは10分間ニュースがあって、18:10から19:00までは各局ローカルでリクエスト番組だったと思う。当時私は神奈川県の逗子市に住んでいたので、横浜放送局を中心に、東京、千葉も聴いていた。そのテーマ曲が確かこれ。ビーリー・ヴォーン楽団の「真珠貝の歌」。



ビリー・ヴォーンではなぜかこちらの「峠の幌馬車」も覚えているのだが、これはエンディング・テーマだったのか?…(19:00前後の時間調整用のフィラーだったようにも思う)。



このリクエスト番組の水曜日か木曜日が「ムード音楽、イージー・リスニング特集」で、その番組こそが今の私の"音楽・映画ライター"としての基礎を作ったともいえるのだが、これはいずれ(公開翌日追記:横浜局は男女二人で情報も交えて、男性一人でリクエスト・オンリーだったのは東京局かもしれないが…さすがに記憶が薄い)。

そして! 実は20年以上探していて、つい最近発見。思わず「おおーッ!!これだッ!」と叫んでしまったのが、カラベリ楽団の「グラン・プリのテーマ」。



これは19:10から20:00までの「サウンド・オブ・ポップス」のテーマ曲で、私の母親が台所のラジオで毎日この番組をかけながら夕飯の支度をしていた。私の部屋は台所のそばだったので多分数千回聴いていると思う。
この「サウンド・オブ・ポップス」、'80年代初頭にかなり先鋭化、過激化して、「台所からなんだか異音が…」と思ったらスロッビング・グリッスルだか、サイキックTVだかがかかっていたことがあった(そんな中、ウチのオカンは平然と晩飯を作っていた)。

『グラン・プリ』は'66年公開のアメリカ映画で、監督はジョン・フランケンハイマー、音楽はモーリス・ジャールだった。日本ではソウル・バスが担当した秀逸なオープニングと、三船敏郎の客演で知られる。
映画音楽は通常、オリジナルが最も良く、カヴァーはそれに劣るはずなのだが、この「グラン・プリのテーマ」に関してはカラベリ盤の方が人気が高い。確かにこのストリングスのパッセージや、後半部でのバースの応酬は「素晴らしいにも程がある!」という感じだ。そういえば、当時は「カラベリときらめくストリングス」と呼んでいたか…。

さて、締めくくりはここ十数年の再評価ですっかりおなじみになった、ブラジルのフュージョン、いやクロスオーヴァー・グループ、アジムスの「Fly Over The Horizon」。こちらは冒頭のStuffとは違い、アープ・オデッセイをデモのように多用(笑)。ゆえにちょっと'70年代の坂本龍一に似ている。



いや、もう、イントロだけで全身が溶けそうになる。「クロスオーバー・イレブン」のテーマ曲。当時はこの番組が終わると短いニュースがあって、24:00で放送終了だったか(そのあとはFM東京で「ジェット・ストリーム」を聴く)。

「クロスオーバー・イレブン」といえば、いかに曲間の喋りを除いて、音楽だけを"エア・チェック"するかが大問題。「そして男は去って行った…」など、なんとなく喋りがスローになり「いまだッ!」というところで押さえていたラジカセのポーズ・ボタンを離すが、ひと呼吸あって「…思い出を携えて」などもうひと言あった時は大パニック! 改めて巻き戻すと間に合わず、さりとて喋りは入れたくない! とりあえずそのままにして、夜中に秒数を測って消去したかなぁ…(ところがここでタイミングを逸して曲のアタマが消えてしまったり)。考えてみると、当時の中高生はかなり高度なアナログ・レコーディングや編集作業を日々行っていたのではないだろうか?

NHK-FMのテーマ曲で思い出される1980年前後の音楽生活。実は最も鮮明な記憶は、それぞれの曲(特にカラベリ!)がフェード・アウトして流れる局名アナウンス「JOGP-FM、NHK横浜放送局です。横浜からは81.9MHz、小田原からは…」なのだが…。
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Comments:2

もびほDXer URL 2013-07-04 (木) 01:33

時代は全然違いますが、かつて横浜放送局で働いていた人間としては
サダナリさんの音楽人生にJOGP-FMが多大な影響を与えていたことは嬉しく思います。
ちなみに2002年から2010年までの局名アナウンスは、小生の声でございました。

定成寛 URL 2013-07-04 (木) 09:22

もびほDXerさま>
コメントありがとうございます!関係者の方からお言葉を頂戴し恐縮しております。
一晩じっくり考えてみたのですが、横浜放送局は男女二人で情報を交えながら、男性ひとりでリクエストオンリーでやっていたのは東京局だったかもしれません。なんでこんなことを考えたかというと、1981年頃だったか、関内の演奏所から円海山までの中継回線が不通になって、なんと!アナウンサー2名とスタッフが円海山に行き、屋外に機材をセットして生放送するという大事件というか大イベントというか横浜局の歴史に残るような出来事があったからです(横浜の古株の方ならご存知かと)。
平日の夕方でしたがたまたま家にいた父親と二人、夢中になって聴き、女性アナウンサーが「暗くなって来たので原稿が読みづらい」と言っていたのを思い出しました。
いずれにせよ、ここの挙げた曲は死ぬまで忘れないでしょう。ネットを見ても(主に同世代の人から)当時のテーマ曲やフィラーについては絶賛の嵐。本当にラジオで育った世代なのだと痛感します。局名アナウンスやられていましたか!2002年から2010年まで?いやー長いですね!!

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