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第38回-ハーブ・アルパート賛・その2-夢のA&M

ハーブ・アルパート賛、前回はティファナブラスの原体験と最近の2本の映画について書いた。今回は彼が設立したA&Mレコードについて。理屈は無用、まずはこちらをご覧頂きたい。

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どこかのレコード市で買った…いや違うな、自由が丘のワークス・レコードだったか?『セルジオ・メンデス&ブラジル'66』のA&Mオリジナル盤だが、注目は、というか最高の買い物はこの「中袋」だ!

もう、なんというか、夢のようなラインナップ。社主ハーブ・アルパートのティファナ・ブラスを筆頭に(前回紹介したアルバムもある)、盟友バート・バカラック、ハバ・マリンバ・バンド、クロディーヌ・ロンジェ、そして稼ぎ頭(笑)セルジオ・メンデスの人気盤!

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ちょっとマニヤックなセレクションなのでこちらが多分ウラ面なのだろう(笑)。A&Mがディストリビューションしていた開始直後のCTIレーベル。ウェス・モンゴメリー、トム・ジョビン、タンバ4にハービー・マン。

そして涙のソフトロック・オンパーレード。かのロジャニコにはじまり、"Guantanamera"のサンドパイパーズ、"Call me"のクリス・モンテス。"You Were On My Mind "のWe FiveにMerry-Go-Round(ここまで知ってた)、Lee Michaelsってのはサイケデリックなのか(知らなかった)。

なんとも言えないのが二段目左のジミー・ロジャースと右下のフィル・オクス。ジミーは'50年代にデビューしたロック・シンガーで、'67年に警官に暴行を受けて瀕死の重傷を負い、一応カムバックしたものの、いまや語る人も少なく…(カントリー・ミュージックの父と呼ばれる黒人と混同されることが多い)。

そしてフィル・オクス。実はこのブログにフィルが登場するのは二度目である。私はヴァン・ダイク・パークスがプロデュースした二枚のアルバム(一枚は千葉で、一枚は札幌で買った)が大好きで、今年1月のヴァン・ダイク来日時、それにもサインをしてもらえばよかったと後悔したのだが…。
「ボブ・ディランのライバル」とまで言われた優れたシンガーだったが、'70年代に活動が低迷。'76年に自ら命を絶っている。なぜか日本には根強いファンが多く、カタカナの「フィル・オクス」で検索すると彼を讃えるページが少なからず出てきて驚く。2010年には米国でドキュメンタリー映画が作られたそうだ。

ティファナ・ブラス、バカラックからジミー・ロジャース、フィル・オクスまで。この中袋は、期せずしてポップスの光と影を表している。

ちょっと湿っぽくなったが、A&Mというレコード会社がいかに優れた方向性とサウンドを打ち出していたかがよくわかる。

私たちは子供の頃、アメリカの小洒落たポップスというのは必ずトランペットのソロがポンと飛び出して来ると思っていた。前回書いたティファナ・ブラス然り、今回の中袋に載っているバカラック然り。しかしそれは「アメリカの小洒落たポップス」が持っている特徴ではなく、ハーブ・アルパートがトランペッターだったからなのだ。

このアルバムと中袋は、載っているアルバムからすると'67年頃のものだろう(CTIが3004番までで、セルメンも"Look Around "まで。ボサリオが出ていない故)。
A&Mはこのあと世紀の大スターを輩出する。カーペンターズである。ハーブ・アルパート、バカラックにロジャー・ニコルス、ポール・ウィリアムス、そしてレオン・ラッセル。夢のメンバーが集結した究極のポップスと言える。
さらに'70年代後半にはあのイエロー・マジック・オーケストラの米国進出をバックアップして…ともかく今、我々が愛してやまないポップスの源流を作ったのがハーブ・アルパートとA&Mだったのではないか。

(注:同じLAでもヴァン・ダイク・パークスはワーナーの社員プロデューサーだった。ゆえに微妙に人脈が異なり、仕事は接近しつつもクロスしない。ここが面白いところでもある)

ここに出ているアルバムは全部で40枚。すべてを揃えたいところだ(もっとも半分以上既に持っているが…)。
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