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第82回-中古レコード店の教え

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再開発による区画整理で跡形もなくなってしまったが、かつて大船駅のモノレール出口の下に中くらいの大きさの新譜兼中古レコード店があった。「大船ミュージックショップ」といったような気がするが、さだかではない。

小学校6年生頃、実家のあった逗子から大船の学習塾に通っていた頃に出入りし始め、中学校時代には頻繁に通っていた。ひとりで行ったこともあれば、親と一緒に行ったこともある。例えばハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの2枚組ベストアルバム(もちろんLP)を買ったりもして、思い出深いお店である。

さて、時は過ぎて高校3年生頃だったか、人生で初めてここにレコードを「売ってみよう」と持ち込んだことがあった。持って行ったのは『URGH! A Music War』という1980年前後のニューウェイヴ・バンドのライヴをコンパイルした記録映画のサントラで、アルファレコードからの国内盤2枚組だった。これを選んだのは「カセットテープにダビングしたものを聴いていれば十分で、オリジナルにはそれほどこだわりはナイから」と「国内盤の美品2枚組で、買い取り価格も悪くないのではないか」という理由からであった。

ところがなんと店主に「売らない方が良いですよ」と言われた。4000円もしたのに買い取り価格は800円、店主自ら「安いでしょう?」と仰る。そして極めて丁寧な口調で「高校生なのに高価な2枚組を買おうなんて、ここに入っている音楽が聴きたくて買ったのですよね?」、まさにその通りなので「はい」。POLICEやDEVOといった大御所と一緒に、夢中になっていたXTCやあのダニー・エルフマンが在籍したオインゴ・ボインゴ、クラウス・ノミやペレウブ、ギャング・オヴ・フォーなど、ともかくあの頃の聴くべきバンドが全て入っている傑作コンピなのだ。



中古レコード店の店主から「レコードを売るな」と言われるのもヘンな話だが、「もう暫く持っていないさい」と諭されてすっかり気分が変わってしまい、結局その時は手放さず逆に店頭にあったビージーズ「マサチューセッツ」のシングルを買って帰った。なんとも不思議な話だ(いま考えるとオインゴ・ボインゴからの差がスゴいが)。



しかしその教えが聴いたのか、アナログEP+LPで数百枚、CDは多分2000枚くらい持っていると思うが、実は1枚も売ったことがない。店主の言った通り、何かの考えがあって買ったもの。一時的には飽きていても、いつかその意味が出るように思うのだ。

大船ミュージックショップには高譲が発行していたミニコミ『REMEMBER』が置いてあり、レジカウンター付近の特別なエサ箱には当時の私でもわかるくらいの欧米ロックの貴重盤が並んでいたので、あの店主氏、かなりの人物だったのだろうなぁと(大船閉店後、横須賀のヤジマレコード本店に移籍したらしい。そのヤジマももうないが)。

7年ほどまえにツイッターで大船ミュージックショップについてつぶやいたところ、「私もあそこが思い出の店」というレスが少なからずあり。こんな逸話の通り、街のレコード屋さんこそが本当の宝なのだが…。

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